奨学生の広場
名 称
公益財団法人 石澤奨学会
理事長
石澤精三
(いしざわせいぞう)
所在地
〒104-0061
東京都中央区銀座6-7-1
みゆきガーデンビル5F
【地図】
電話番号
 TEL 03-3572-5730(代)
 FAX 03-6228-5100
設立年月日
昭和45年1月8日
主務官庁
内閣府大臣官房公益法人
行政担当室
文部科学省
初等中等教育局
高校教育改革PT
奨学の近況報告から 奨学生掲示板

 

激励メッセージ 「風雪の道」

石澤奨学会創設者 石澤善重郎

 「若いときの苦労は買ってでもやれ」とは、昔からよく云われてきた言葉です。しかし、恵まれない環境に生れながらそれに左右されることなく、力をつくしてわが道を進む者の苦労は、そんな生やさしいものではありません。特に、山間僻地に生れた人や、孤島の漁村に生れた人又は裏街のかたすみに生れた人などは、物質的に恵まれなかったら、こころざしを全うするためには、あらゆる困苦欠亡に堪えて行かなければなりません。そうした環境にあって勉学を続け、更に高校、大学の過程をおさめる者にとっては「苦労は買ってでもやれ」などと言う者の人の言葉は、およそ実相とは程遠いものでしょう。
 諸君は多かれ少なかれその道を歩きつつあるのですから、困難に遭遇することは覚悟の上でありましょう。
 実社会でよく出来た人だとか、話のわかる人だと云われる人、人々と交わってその中心となる人には、このような環境を克服した人が多いと思います。苦労の道を経て、始めて味もあり涙もある人が得られるのです。
 しかし、この道を歩いて来た人の注意すべきことは、いばらの道で体験した種々のことがわざわいして、暗い影がつきまとったり、ややもすれば自己主義になりやすいことです。これが長い習慣となるとなかなか直らないもので、ひいては実社会で多くの人々と交わる折に、明るさや温みのない人だと敬遠される原因にもなります。
 諸君は如何なる場合においても、明るさと人間の温みを失わないように注意してほしいものです。
 これは、風雪の道を歩む人にとって最も大切なことだと思います。

(石澤奨学会機関誌「風雪」創刊号 巻頭挨拶文より/1971年〈昭和46年〉3月)


▼ 石澤奨学会創設者 石澤善重郎(1899年〜1981年)

石澤奨学会創設者 石澤善重郎(1899年〜1981年)

(年 譜)
 
1899年 新潟県に出生
1920年 勤労を続けながら工学院を卒業
日本石油化学研究所勤務
1934年 愛国石油(株)を設立
1939年 東燃(株)取締役
1942年 日本石油(株)取締役
1958年 キグナス石油精製(株)を設立
1959年 石油連盟理事
1969年 勲三等瑞宝章を受章
石澤奨学会を設立
1981年 享年82歳